……にしても。
ちっちゃいよなぁ。
俺だって決して背が高いわけじゃないのに……
俺の言葉に素直に従って、黙ってじっとしている彼女。
すぐ傍にある、栗色の髪。
それを余裕で見下ろせて、こうして難なく触れられるってことは……
結構、身長差あるよな?
そういや、手もちっちゃいもんなぁ…。
全体的に小柄だし細っこいし。
肩とか…抱きしめたら壊れちゃいそうなくらい華奢で……って、
俺ってば何を考えてるんだろう?
無意識に伸ばしかけた手を慌てて引っ込めた。
別に、女の子に慣れていないわけじゃない。
キョウダイは女ばっかりだし、女友達だってたくさんいるし。
“接し方”は心得ているし、変な幻想や妄想を抱いてるわけでもない。
だから、こんなふうに近づいても全然平気…なはずなのに。
やっぱり、違う。
何かが違う。
好意”を向けられるのは初めてだから。
そういう“対象”として女の子を意識するのも初めて、で。
なんかこう、今まで感じたことないような…妙な気持ちになる。
これって……
「……よし、取れた。」