……まぁ、カズヤの言うことはわからなくはない。


アイツは、そういう奴だ。


冷たいって言うか、他人に興味がないって言うか、人間嫌いって言うか……


だから、みんな俺に頼んでくるわけだし。



「ちょっと顔がよくてスポーツができて成績もよくて完璧だからって…」


「カズヤ、それは“ひがみ”と言うんだよ。しかも微妙に誉めてるから。」


「なっ…違うよっ。アキも言ってたんだから。
なんでみんな慎也がいいんだろう?って。新ちゃんのほうが絶対に“いい男”なのにね、って。」



……え?



「アキちゃんって、ホントはお前じゃなくて新一が好きなんじゃねーの?」


「うっさい、モト!」


楽しそうに茶化すモトキをひと睨みしてから、俺のほうに向き直って、



「……とにかく、新ちゃんはもっと自信を持って。
新ちゃんには新ちゃんの“良さ”がある!だからあの子は、新ちゃんを好きになったんだよ」



いつものカズヤらしくないセリフを言った。


……なんかちょっと、じーんときちゃったじゃん。