「だから、自信持て!」



そんなこと言われても……


その言い方じゃ、励まされてるんだかさらに傷をえぐられてるんだかわかりゃしない。


「俺は、彼氏にするなら、新ちゃんのがダンゼンおすすめだと思うよ?」



それでもなお、カズヤの力説は続く。



「だってさ、アイツ…慎也って見てる分にはいいだろうけど、人間的には最悪じゃん?」


言いながら、窓の外へと視線を促す。

そこには……



「なーんか、愛想悪いし態度悪いし、いちいちえらそうって言うか…」



朝練を終えて、テニスコートからこちらへ向かってくる集団。

そして、それを見つめるギャラリー(ほぼ女子生徒)。

お目当ては紛れもなく慎也なわけだけど……

誰も近づこうとはしないし、近づけないでいる。



「ほら、見ろよ。まるで“王様”気取りじゃん。」



アイツが歩くと、みんなが道を開ける。


まるで、パレードでも見てるみたいだ。