「いやー、新ちゃんってば朝からラブラブだねぇ」
教室に入るなり、早速うるさいのが寄ってきた。
「お手てつないで仲良く登校、だなんて…いいねぇ、青春だねっ」
にやにやしながら、バシバシ叩いてくるカズヤ。
「ホント。なんか初々しさ100%って感じで、なかなか絵になってたぞ。ほら」
同じく、いやらしい笑みを浮かべながらモトキが差し出してきたのは……
「…っ。何撮ってんだよ。」
ケータイに映る画像。
明らかに、望遠の隠し撮り。
……コイツら。思いっきり楽しんでやがるな。
「2人を見てたら、俺もつき合い始めの頃を思い出しちゃったよー。明日からやろっかな?アキと“ラブラブ登校”」
「……今さら無理だろ。
マンネリ気味のお前らには、もう“つき合い始め”のフレッシュさというものがないからな。」
「失礼だぞ、モトっ。俺たちは今でもラブラブだ!」
「……フッ」
「あーっ!今、鼻で笑っただろ?」
……騒がしい奴らだ。
いつの間にか俺のこと忘れて盛り上がってるし。
でも……
「“つき合い始め”かぁ……」