「……え?」
慌てて彼女のほうを見れば、今までとは一転。
「そっか…先輩がくるみの“王子様”でも、くるみが先輩の“お姫様”になれなきゃダメだもんね…」
表情を曇らせて、何やらぶつぶつ呟いていて。
「ごめんなさい。くる…じゃなくて、私じゃ役不足ですよね。」
そっと手を離して、俺を見上げて申し訳なさそうに謝った。
「いや…別にそういうわけじゃ…」
その姿を見ていたら、胸がぎゅーっと、罪悪感みたいなので締め付けられてきて……
「ダメだとか、そういうんじゃなくて……」
なぜか弁解し始めていた。
「ダメじゃないんですか?」
俺の言葉を聞くなり、彼女の表情が再び輝く。
「……うん?ダメとかじゃなくて…「じゃあ、いいんですね?」
「え?」
「王子様になってくれるんですね?」
「いや…違…「うわぁっ。嬉しいっ!ありがとうございます!!」
……あれ?
「ふつつか者ですが、末永くよろしくお願いしますっ」
今度は俺の両手をぎゅっと握って、彼女はにっこり笑ったんだ。
……ん?待てよ。
これって、“告白”にオーケーしたってこと…か?