「はい!」



あれ、みんな立ってる…?


先生が不敵な笑みを浮かべて時計を親指で指差す。



「もう授業終わったぞ。」


うわっ!


授業終わりの挨拶っ…!



数学の先生は怖く、挨拶を特に大事にするので、みんな挨拶のときだけは寝ていた生徒もパッと起立する。


周りがクスクスと笑う中、真っ赤になって俯いて立ち上がる。


「す、すいません…」



めっちゃ恥ずかしい…!



そっと後ろを振り向くと蓮田くんは興味なさそうに窓の外を眺めていた。