頭が、真っ白になった。


翼くんのお母さんは、ソファで大粒の涙を流す。

あたしは、ペタリと、その場に座りこんでしまった。



翼くんが、バスケを……できない??

これから、ずっと?


翼くんのプレーを、もう見ることはできないの?


『俺結構東丘に勝って欲しーかも。ってか、あの7番をインターハイで見てーっ!』


誰も、もう……見られない??



あたしの目からは、不思議と涙はでなかった。

……その理由は、ただ1つ。




今、この現実を、





受け止めたくなんて、なかったんだ。





神様は……どこまで、彼に意地悪なんだろう。