「あのっ……。っ、すみませんでした。あたしが……っ」
「舞ちゃん、よね?」
「……はい」
「翼からね、話を聞いたことあるの。“すっげぇ絵が上手いやつが友達にいるんだ”って。女の子のことを、あんなに嬉しそうに話すの、若葉ちゃん以外いなかったのよ」
「……っ」
「舞ちゃんっ、私も、翼も、あなたのことを悪いなんて思ってないの。
だから、謝らないで……っ?」
「……はいっ」
どうして……どうして、あたしの周りの人は、こんなにも優しい人ばかりなんだろう。
翼くん……早く、早く目を覚まして。
それで、こんな優しい人に出会わせてくれたお礼を、言わせてよ。