「先輩、賭けましょうよ。エースナンバーだけじゃ、おもしろくないでしょ」 「……」 「賭けるのは、舞先輩で」 「……ふざけんな」 「俺は、勝ったらもう一度告白します」 「……負けたら、しないんだな」 「えぇ」 「言ったろ。渡す気なんかないって」 あ……。 一瞬、翼くんと目が合った。 体育館の外から、ただ、コートの真ん中を見つめることしかできない。 ドクン。ドクン。ドクン。 心臓の音が、加速する。