高山くんは「すんません、ちょっと呼ばれてて遅れました」と言って、体育館へと入っていった。 「ったく、早く着替えてこい」 「うっす。……監督、お願い、あるんすけど」 「なんだー」 「翼先輩と1on1、やらせてください」 え……っ?! 高山くんの言葉に、あたしは目を丸くした。 「なに言っとんだ。早くアップして練習入れっ」 「エースガードの座、勝ち取るチャンスください」 そう言って、高山くんは深く木田先生に頭をさげた。