彩海の涙の跡……………。


どこにもそんな根拠はなかった。


だけど……………俺にはそうとしか思えなかった。


教会にはマリア像が微笑んでいた……………。


そこのは、マリア像にかけられたネックレスがあった。


あの指輪……………もしかして!?!?


俺はマリア像にかけられたネックレスをそっと取った。


なぜなら……………そのネックレスは…………。


『May 10 ayami,ryuto』


そう刻まれた彩海の指輪だからだ。


「もう…………俺と彩海は戻ることは出来ないのか??」


その言葉は宙に儚く消えた。


俺はその指輪を俺のネックレスに通すと1人で声を押し殺して泣いた。


いつも隣にいるなずの彩海の温もりが俺から離れたことを想いながら。