見慣れた背中が1番前の椅子にあった。


さっき会ったばかりなのに何年も会っていなかったかのような気がした。


その背中がゆっくりと動いた。


そこに居たのは…………………。


「琉斗…………。」


少しだけ泣きそうな顔をして俺を見る彩海だった。


彩海は俺を見ると、椅子から立ち上がり俺の横を通り過ぎた。


まるで、他人とあったかのように彩海は俺と1度も瞳を合わせなかった。


そのまま彩海は俺の横を通り過ぎて、あのドアを開いて俺の目の前からいなくなった。


その一瞬の出来事がまるでスローモーションを見ているかのように感じた。


俺は泣いていた彩海の涙すら拭けなかった。


ただ、眺めてることしか出来なかった。


強く抱き締めて慰めることが出来なかった。


初めて見た彩海の涙は俺の脳裏に深く刻み込まれた。


俺はさっきまで彩海が座っていた場所に行った。


そこには、俺と彩海がここに来た時に刻んだ…………。





『琉斗and彩海

 Are together future much....
[この先ずっと一緒だよ。]

Whetever there mey be, is it by two persons.
[何があっても2人で居ようね。]


そこには、涙の跡があった。