俺はそのあとの事は覚えていない。



気が付いたら家のベッドに居た。


瞳を閉じれば……………初めて見た彩海の泣き顔がチラついていた。


「くっそ!!!!」


俺は壁に蹴りを入れた。


                  チャリン。


壁を蹴った拍子に…………壁にかけていた何かが落ちた。


「っんだよ……………。」


俺は落ちたものを見た……………………。


それは…………………。


           彩海とお揃いのリングがついたネックレスだった。


俺はそのネックレスを持ってある場所へと向かった。


「ハァ…………ハァ…………ハァ…………。」


俺は息を整えながら目の前のドアを押し開けた。


                ギィィィィィィィィ。


古びたドアは少し音を立てながら開いた。


俺が着いた場所…………それは小さな教会だった。


ここは俺と彩海の大好きな場所だった。


俺は少しずつ前に歩いた。


手に力強く握ったネックレスを首に着けながら。