ギター片手に、歌う結城。

その歌は、毎日のように私の携帯機器から流れる様な無機質な音なんかじゃなく、透明で、だけどどこか低くてかすれた声が心を落ち着かせる。
そんな音だった。

 「俺らは 大人になれたかな
  愛 だなんてわかんねぇけど
  これだけは言えるよ 傍に居たい」

歌詞を、リアルに歌い上げた結城。
あのバンドには無い透明さが、観客を震わせた。