急いで髪の毛をまとめる。
光が当たって茶髪がきらめく。
結城に染めてもらった髪の毛は、
凄く綺麗な発色でお気に入り。

「ごはんは…いっか。」

ちょうどよく、お母さんは
出版社の仕事にはやくから出てて
ごはんの用意はしなくてもよさそうだ。

日課は夜に揃える派なので鞄の中に
ケータイだけ押し込んで靴を履く。

「おはよう。」

さっき、電話口に聞こえてた
重低音で少し擦れてる声がする。