「駅前で歌い終わって、ここでいつも談笑してた。 けど、ある日先輩は泣きながら俺にしがみついたんだ。『私を抱いて』って。 俺も訳がわからずにまず話を聞いたよ・・・。」 あ、また遠い目してる。 今、頭の中できっと香苗先輩がよみがえってる。 ちゃんと、話を聞かなくちゃいけない。 そんな気がした。 「・・・彼氏に裏切られた、ってさ。 もう歌詞もかけないし歌えない。 夢すら今じゃ滲んで見えない・・・そう言ってた。」