俺が28年前に生まれて、高條家から女の子が生まれたら俺の許嫁になることが決まった。 そしてその12年後、待望の女の子が高條家に生まれた。 それが綾だ。 当時小学6年生だった俺には、許嫁というものに対する認識も曖昧なものだったし、なにより自分の目の前にいるこの赤ちゃんと結婚する、という想像がまったくつかなかった。