ただ、少しわからないところがあった

 彼女はあまり人目が多いところにいるとはいえないし、どちらかというと地味な感じのオーラを発していた

 誰にも挨拶せず人気のない陰に隠れたかと思うと、大体同じ男と話している。

 どちらかというとイケメンの男子。

 まぁ、花澤さんとのバランスを考えたらなかなかいいのだろうけれど

 なんだかムカつく男だった。


「ねぇ、恋葉」


「なぁに?」


 この子は木通恋葉(アケビコノハ)。一番最初に仲良くなった、例の友達である。


「あの男の人・・・名前わかる?」

「あぁ、花澤さんを暖かく見守る会の」

「なにその同好会」

「部活みたいなもんなんだってさ」

 謎は深まる。

「確か・・・美里先輩、だったかな」

「美里?」

「うん。」

「それ苗字?」

「うん」

「ふーん」