下駄箱までつき、靴を履き替えているときだった



外と内の境界線を表すドアの中を、走る人影が目にはいった



その影は、俺のよこを走る

「あ、」


と思ったのと同時に、ふわりと一瞬香った甘い香りに、クラリと目眩がした


あれは、


あれは、早瀬雪乃の横顔だった