「…、」


何も答えずに視線を遅刻少女に向け続ける



だけど裕斗はそんなことはちっとも気にしていないようで、まるで早く言いたいとばかりに上げられた口角が視界の隅に確認できた




それと同時に遅刻少女がつまづく



「…、」


今度は出そうになった声を喉で止め、笑いそうになったが我慢する



上を向いて走っていたせいか、何もないところでつまづいた遅刻少女



そのせいで視線は外れてしまったが意識は完全に彼女に向いていた