「また見てる」


フッと笑う声とからかいが混ざる声


裕斗だ


「うっせぇ」


眉間にシワを寄せながら遅刻少女を何となく目で追う



その時、遅刻少女が顔を上げた


いつもの通り、時計を見るためだろう





だけど、

「あ、」



ドキリと胸が大きく鳴った





目が、合った