この学校は人数が多く、体育祭では1人1種目だけ出れば良いので、チャイムが鳴るまで寝ていた



だけど、



「恭夜くん」



甘ったるい声が耳に届く



ねっとりと語尾を伸ばすその声に、気持ち悪ささえ感じてしまう



「きょーやくんっ」



無視をしても一向にその声は止まなくて、ゆっくりゆっくりと首を上げれば、目の前には声の主であろう女



眩しさと眠たさも混じり、眉間に皺がよっているが、その女は気にしていないのかニコニコと笑っている