「あら、彼氏の分も作るの?」





弁当箱を2つ用意する私を見て、お母さんが言った。





「……んまぁ、そんな感じかな。」





「実音、ちょっとぐらい彼氏が出来たこと教えてくれたって良かったのに〜」





お母さんは完全に彼氏だと思い込んでるんだね。





こんな腹黒癒し系男と誰が付き合うっていうのよ!!





「ねぇ、名前は何ていうの?」





「杉崎洸君。」





卵を溶きながら適当に答える。





「洸君か…可愛いしかっこいいし最高ね!!」




と私の肩をバシバシ叩く。






はぁ…何かほんとにややこしいことにやったな………