「え」 その瞬間、すき焼きのお肉をつまんでいたお父さんの箸が、お父さんの手から落ちていった。 「あれ、おじさん知らなかったの?」 そーいや、お父さんには言ってなかったなぁ…… 「夏樹までじょ、冗談やめろよー!」 お父さんはハハと笑いながら落とした箸を拾う。 「冗談じゃないわよ♪私、何回か会ってるもの♪」 お母さんがルンルンな感じで言う。 ガチャン─── するとお父さんはまた箸を落とした。