「俺はその場に転けた。それと同時に目の前をトラックが通過したんだ。」
「え?!」
それって………嘘……
「瑞稀は…トラックが来ているのに気づかなかった俺を助けようと……自分を犠牲にしたんだ。」
そんな………っ
私の頬には涙が伝う。
「俺が……ちゃんと周りを見ていれば、瑞稀はあんな目に合わなくて済んだ。瑞稀は俺が殺したんだ……」
杉崎くんはずっと……瑞稀さんの事故を自分のせいだと思って……?
でも、それは違う。
「杉崎君……そんなに自分を責めないで?それは……事故だよ?杉崎君は悪くない」
「実音ちゃん……っ」
「そんな気持ちでいたって、瑞稀さんもきっと喜ばないよ……」
「そう……なの、かな?」
杉崎くんがうつむいていた顔をあげた。
「私は……そう思うよ。杉崎くんがそうやってずっと想って、忘れないであげたらいいんじゃないかな……?そろそろ……前に進まなきゃ…!!」
杉崎君の手をとって、ぎゅっと握る。
「ありがとう……っ。そうだよね……俺、前に進まなきゃだな……」
杉崎君はぱぁっと明るい笑顔になった。
私の気持ち……届いた?