そして、杉崎君はゆっくり口を開いた。



「俺とあの写真の女の子、瑞稀(みずき)と付き合い始めたのは中3の始めぐらい。隣の席だったから・・・・・・よく話してたんだ。それで、俺が告白して付き合った。」




私は何も言わず、ずっと頷いていた。



「で、皆から羨ましがられる公認カップルって言われてたんだ。そして、そんなある日。」



そこから、杉崎君の表情が曇った。



「俺と瑞稀は二人で出かける約束をしていたんだ。そして、待ち合わせ場所に行くと道挟んで向こう側の歩道に瑞稀がいたんだ。そして俺が『瑞稀っ!』って言いながら道路を渡ったとき――――」


まさか・・・・・・・
私は息を飲んだ。



「あれはほんの一瞬だった。瑞稀が『あぶない』って俺を向こうから走って押したんだ。」




……………っ!?