キーンコーン……
授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
はぁー……長かった。
私、数学ほんとに無理なんだよね。
数学の時間は他の授業のときより、やけに長く感じるんだ。
「夏樹っ!」
私は授業の終わりの礼を済ませて、夏樹の机の方を向いた。
「……実音、どんな杉崎の過去でも受け止められるか?」
「え……」
いつもテンションの高い夏樹が真剣な表情をするから、戸惑った。
でも……受け止めないと……いけないんだ。
「うん、大丈夫だよ。」
私は息を呑んだ。
「その実音が見た写真の女子は……おそらく、中学生時代の杉崎の彼女だ。」
やっぱり……そうだったんだ……
「それで……その彼女は……中3のときに……あいつの目の前で……交通事故で死んだんだ……」
「え……っ!?」
彼女さんが……死んだ?
嘘でしょ……
そうか、だからあんなに大切に写真を……