そして俺は無事、先生が来る前に教室に到着して席に座った。





「夏樹」





隣から、実音が俺を呼ぶ。





「聞いてきた、彼方に。」





「ありがとうっ!あとで教えてね。」





と、優しく笑う実音に心が痛んだ。





でも俺は……実音に幸せになって欲しい。





だから、俺の気持ちは伝わらなくても良い。




俺は、実音の恋を応援したいんだ。





だから……正直に言うしかないな。





「あぁ。わかった。」





俺はそう言って微笑んだ。