入学してから大輔と友達になり、中学生活に慣れてきたある日の休み時間。
ちょうど廊下に出ると、菜緒が廊下の窓から空を眺めていた。

そのときの菜緒の顔を見て、何故か俺は菜緒のことを空が好きなんだなぁと思った。

そして、菜緒は授業中も空を眺めていた。
俺が菜緒の隣の席になっても、ふっと菜緒を見ると外に目を向けて空を眺めていた。



放課後、サッカーの練習に行こうと教室を出たら、大輔が話しかけてきた。

「なぁ、連。もうすぐしたら俺たち卒業するんだぞ。」

『そうだな。でも、大輔とは同じ高校だし寂しくねぇな。』

俺はサッカーの推薦で、大輔は野球の推薦で同じ高校に受かった。

「俺は、そんな話をしてんじゃねぇよ。」

大輔の言いたいことはわかっていた。

「吉村とは、このままでいいのかよ。お前、まだ好きなんだろ??」

大輔は真っ直ぐ俺を見ていた。
俺ははっきりいって自分の気持ちがわからなかった。