あたしは、振られて目を真っ赤にしてにぎやかな街を歩いていた。
辺りは幸せそうなカップル、仕事帰りのサラリーマン、道でティッシュを配ってる女の人。
こんな中を1人さびしく歩いているのってあたしぐらいかな…
俯きながらそんなことを考えていると
ドン…
え!?
誰かにぶつかった。
「す…すいません」
「あれ?キミ、うちの学校の生徒だ」
「えっ!?」
顔を上げるとそこには学校の制服を着た男子生徒。
誰…だっけ?
「あ!!!キミ、1年B組のりんかちゃん!?」
「…はい」
この人何であたしの名前知ってんだろ…。
「ぼくは、1年C組の桜木龍」
「はぁ…」
何となく返事を返す。
「僕のこと知らない?」
コクリ
返すのも面倒になってうなずいた。
「そっかぁ~。けっこう有名かなと思ったんだけど…」
「いや。あたしが知らないだけだと思うんで」
「ぼくも努力が必要かな?」
「え!?」
「男磨き」
そういって龍というその人物は笑った。
よく見たらかなりのイケメンだ。