俺はシャープペンを机の上に乱暴に置き、勢いよくくるりと椅子を回して凪と向き合う。



あまりにも唐突すぎた俺の行動に、凪は驚きのけぞっていて……。



「い、いきなり何!?心臓に悪いんだけど!」



「あー……悪い悪い」



「って、思ってないでしょ!」



「(凪がキレると面倒だから、違う話題を……)」



「ちょっと、あんたねぇ!さっきもだったけど、人の話は最後まで――…」



「てか、凜って誰?」



「は……?」



鬼の形相をしていた凪が、一瞬にして間抜け面に変わる。



いや、“は……?”じゃないんだけど。