『(ふぅ……)』
解放されたと思ったのも束の間。
グイッと腕を引いて、さっきまで押し倒されていたあたしを抱き締めた。
そして、あたしの首筋に顔を寄せる。
蒼空のゆるいパーマがチクリチクリと当たって、くすぐったい。
『ちょっ、どうしちゃったのよ』
「凜……」
『ちょっと……待って、』
蒼空の低い声と共に、漏れた吐息が首筋に吹きかかる。
痺れるような感覚に襲われたあたしは、必死に平常心を保とうと努力する。
……落ち着け。
何も考えなきゃいい。
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