『廉はあたしの兄ちゃんだから』



「は……?」



なんて間抜けな声と面してるんだろう。



あたしは小さく笑う。



『あたし、川村凜。兄ちゃん、川村廉。正真正銘の兄妹』



「いや、でも、」



『廉がわざとキスしているかのように見せかけたの』



「……」



『ほんとっ!勘違いされて、こっちはえらい迷惑だわ』



「……わりぃ」



蒼空はばつが悪い顔をして、ゆっくりとあたしの上から退いた。