「誰?」



『な、何が、』



「誰だって聞いてんだよ!」



右に付いていた手を握り締め、床を思い切り叩きつける。



それにあたしはまたビクリと震える。



蒼空の眼光が鋭い。



慎重に答えなきゃ……。



『……川村廉、です』



「お前に彼氏いたんだな」



『ちょっ、廉が彼氏なわけ――…』



「下の名前で呼んでるってことは彼氏なんだろ?」