『そ、蒼空……』



“退いて”



そう言いかけた刹那。



あたしの顔の横に両手を付く。



「何、あれ」



『っ』



冷たい。



蒼空があたしに冷たい。



『蒼空、』



「凜」



こんなに鋭く名前を呼ばれたのは初めてで……。



瞳を揺らし、あたしは唇を噛み締めた。