「凜。幸福を祈る」



『は……?』



「クリスマスプレゼントはいらない。もう、貰った」



あたしからゆっくりと離れた廉は、ニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべる。



『……』



絶対何か企んでるでしょ。



その笑みは間違いない。



ろくでもないことを考えてるでしょ!



「んじゃ、凜。また明日」



廉はあたしの額にキスを落とすと、逃げるように去って行った。



目の前には、見慣れた玄関のドア。