「凜、」 あたしの心臓の鼓動が速まる。 廉と目を合わせられなくなったあたしは、早く退けてほしい右足をただただ見つめる。 「そこにあるのさ……」 『……、』 「メンズブーツだよな?」 『(しまった!)』 穴という穴から変な汗が吹き出る。 蒼空の靴、隠しておけば良かった。 そこまで頭が回らなかったあたしは馬鹿だ。 絶対、詰問される――…