『……予定入れようかな』 「何でだよ」 『まぁ、その日空けてあげてもいいけど?』 照れ隠しに眉を寄せて、可愛くない返事をする。 その返事に蒼空は弾けたように笑った。 素直じゃないあたしが、本心なんて言えやしない。 本当は心底嬉しい。 今年は一人じゃない――。 「……その日さ、」 ピンポーン。 蒼空の声にチャイムの音が重なる。