口元に綺麗な弧を描いて笑う蒼空。



あたしは驚きのあまり蒼空を見張った。



ほんと、赤面しちゃうようなことを平気でサラッと言ってくれるよ。



しかも、自分がかっこいいことを知ってるから、さらに質(たち)が悪い。



他の女なら、さっきの台詞で一ころだ。



「何?照れちゃった?」



『なっ!バッカじゃないの!?』



あたしは蒼空から視線を逸らし、オムライスを馬鹿みたいに口の中に詰め込む。



すると、隣からクスリと笑い声が聞こえたものだから、眉間にシワが寄る。



なんか、腹立つんですけどー!