「……とてもそうは思えませんが……」



「まぁ、中央委員会の審査にも出せないしな。どうせなら、最強の戦艦を……そう思って、これを建造したが……」



「……趣味に走った、と……」



「他にも、各ブロック毎に20から30の無人攻撃機を積んでるしな」



「無人攻撃機……?」



「KE‐283『セル・ドラグーン』……AIによる無人操作で、高度な連携行動が可能な機体だ」



「武装はなにを?」



「標準装備は、120mmマシンガン、6連装ミサイルポッド、ブレード、全方位エネルギーシールドを装備している。更に、役割毎に装備を換装したタイプに分かれている」



「……はは、もうちょっとした軍隊だねぇ……」



「そうだな……まぁ、一個師団程度なら対等以上に戦えるだろうな」



「……凄い…」



「……さて、いつまでもここで談笑している訳にもいかないな」



「調整は済んでいるのかい?」



「移動しながらでも残りは十分だ。それよりも、斗耶の方が問題だろう」



「父さんが?」



「いくら剣帝といえど、雷帝と霊帝に特務隊長二人の相手は容易ではない。それに、本部から応援が向かったとの情報もある……急がなければ、斗耶も危ない」



「…そうだねぇ……」



「では、行くとしようか……」



ヘンリーは一歩前に踏み出した。



「総員、第二種戦闘配備!各ブロック、最終調整を急げ!全エンジン、火をくべろ!」



ヘンリーの号令に従って、ブリッジ内が一気に慌ただしくなった。格納庫のハッチが開き、ヨルムンガルドのエンジンが点火していく。



「ヨルムンガルド、発進!!」



ヨルムンガルドは、格納庫から飛び立った。