「さぁ、案内しよう。斗耶が欲している力のもとへ」



三人はヘンリーの後に付いて行った。昔のことや勇翔のことを話しながら、三人は広い格納庫にやって来た。



「……これは……!?」


「…へぇ……」



「……凄い………!!」



格納庫には、巨大な戦艦が鎮座していた。



「これはまた……とんでもないものを……」


「ドレッドノート級……いや、それ以上かな?」



「あれは、建造中の空中戦艦だ。斗耶に依頼されていたのでね」



「父さんが……?」



「あぁ。斗耶は来るべき戦いの時に備えて、俺に内密に依頼して来てね。それも、ドレッドノート級を超えるサイズとスペックを要求するもんだから、苦労させられたよ……」



「……それにしても、一部隊だけで戦艦を建造なさるとは……」


「うちの隊は、空中戦艦の運用にかけては世界一だと自分しているが、建造に関してもトップクラスだ。なにせ、自分の部隊が運用する艦は自分達で建造して運用していたからな。建造、運用、修理、その全てが出来なければ、我々は一人前とは認めない……さて、ブリッジに案内しよう」

ヘンリーはそう言って歩いて行った。



「……やれやれ、彼も相変わらずだねぇ……」


「…仙石さんは、一期先輩でしたね」



「彼も昔からあんな感じだったよ。斗耶もヘンリーも憲蔵も…互いに実力は拮抗していたのに、なぜかそれぞれが別の進路だった…ヘンリーは空中戦艦の運用に特化した部隊に進み、憲蔵は治安維持部隊に進み、斗耶に至っては修了課程を飛び級で、士官学校を卒業してすぐに統合軍に配属された……まぁ、斗耶と憲蔵は紫閃大隊で後に再開するんだけど………」


三人はヘンリーの後を追った。