そんな二人を、別室でアイザックがモニターしていた。そこに、仙石がやって来た。



「お、もう始まってるのかい?」



「いえ、これからですよ。でも、本当によく似てますよ…彼らは……」



「あぁ……斗耶もさるものだが、あの勇翔君もなかなか……いや、相当なものだねぇ…」



二人が見つめるモニターの奥では、斗耶と勇翔が本気で戦っている。勇翔は天盤を発動し、周囲に浮かべた雷の剣と光翔剣を巧みに織り交ぜて斗耶と切り結んでいる。対する斗耶は、エクスカリバーでの剣撃と魔法を操って勇翔を退けている。二人の戦いは、並のプレイヤーの戦いを超えていた。



「……いやはや、末恐ろしい子だねぇ…」



「……流石は、剣帝の息子…ですかね」



すると、そこに一本の電話がかかって来た。アイザックが受話器を取った。



「もしもし………分かった、ご苦労」



アイザックは静かに受話器を置いた。その雰囲気から、仙石は非常事態を悟った。



「……なにかあったのかい?」



「……悠里さんのところに、師紀元帥達が現われたそうです……」


「……おやおや…親子の対決も、おあずけかな…」



「…そうですね……お二人とも、よろしいですか?」



アイザックは通信で二人に呼び掛けた。モニターの向こうの二人は互いに構えたまま向き合っている。



「どうした?」



「悠里さんのところに、師紀元帥の部隊と、ジャッジメントのレオン特務隊長に第二部隊長のシルヴィア隊長それと……緋凰様が現われたそうです。今は身を隠しているそうですが、時間の問題かと……」



「……分かった、俺が行こう。緋凰様と憲蔵達が相手では、悠里も分が悪すぎるからな……」