「な、なんだ……!?」
その火の放たれた方向を見ると、遠くから赤い竜が飛んで来て、ジョージ達を守る様に敵との間に立ちはだかった。
「グァアアァァッ!!」
赤い竜が放った咆哮は、敵はおろかジョージ達すらも耳を塞がずにはいれない程の強烈な咆哮だった。
「……ッ、なんだ…あの竜は……?」
「……俺の聖霊だ…ジョージ・レミントン大佐……」
「!?」
その声は、ジョージ達の背後から聞こえた。声に一斉に振り向くと、そこには仮面の男が立っていた。
「な、なぜ……ここに……ッ!?」
仮面の男は驚くジョージ達をよそに、辺りを見回している。
「……まだここにはいない様だな…ならば、先に奴等から片付けるか……」
仮面の男は剣を引き抜くと、次の瞬間には赤い竜の足元に移動していた。ジョージやアイリス、テムジンすらもその一瞬を全く感知出来なかった。
「……な、何という男だ……」
「……全く…見切れなかった……」
「……あの霊気…まさか………?」
「………?アイリス元帥……?」
「!……いえ、まさかね…それより、なぜ彼は私達を助けてくれるのかしらねぇ…?」
「……分かりません…ですが………」
三人が見つめる先では、赤い竜と仮面の男が、恐ろしいまでの戦い方で敵を殲滅していく。5分とかからずに仮面の男は敵の群を殲滅してしまった。しかも、全く傷を負っていなかった。
「……敵に回った時を考えると…寒気がしますね……」
そう話していると、仮面の男が戻って来た。背後には、赤い竜が従っている。三人はすぐさま身構えたが、仮面の男が片手でそれを制した。