「……了解しました」



ジョージは腰のサーベルを抜きながら、ゆっくりと敵の群に近付いていった。


「……聖なる使徒の守り手達よ…戦いの時は来た…我が身と共に、信仰の光を守らん……我々は、共に歩む朋友なり………」



ジョージがそう唱えていると、敵がジョージに気付き、襲いかかった。だが、ジョージは気にせず進む………



……獣達の牙がジョージに届くかと思われたその時………



「…明日の信仰の礎とならんことを……我が眼前の敵を討て!!」




ジョージがそう叫んだ時、どこからか現われた騎士の幻影に獣達が貫かれた。


「………あの騎士は…」


その騎士達は、赤地に白い十字の刻まれたマントと盾を携えている。騎士達は突き刺さった剣を引き抜くと、まるで煙の様に消えてしまった。だが、ジョージの体からは白い霊気が立ち上ぼっている。


「…テンプル騎士団……?」



「……私の聖霊は、数多いる聖霊の中でも極めて希少な、『レギオン型』と呼ばれる聖霊……」


「……それが…あの…?」



「……そう…テンプル騎士団……キリスト教の巡礼者を護衛する騎士団……その内実には、不明な点が数多あるが、尊き騎士団だったことには変わらない……」



ジョージは次々と敵を斬っていった。そして大方の敵を殲滅した頃、空の彼方に空一面を覆うほどの敵の群が近付いて来ていた。



「……まだ、あれ程の数が……」


ジョージがサーベルを構え、アイリスが白く光る魔方陣を展開して敵の群を見据えた時、どこからか来た炎が、敵の群の先頭を焼き払った。