「……これが、転送装置の様ですね…」
二人は林の中を歩いて、ようやくそれらしき祭壇を発見した。祭壇の中央には、淡く発光する魔方陣が回っている。
「…行きましょうか」
「……はい…」
二人は魔方陣に乗った。すると魔方陣は一際強い光を放ち、次の瞬間には、二人の姿は魔方陣の上から消えていた。
「……テムジン様…」
「…来たか……配置に付け!!」
テムジンの号令に従って、数十人の男達が一斉に動いた。ある者は木の上に、ある者は茂みに身を潜めた。
……やがて、その囲みの中に、男女の二人組が現われた。
「……ここが…星詠みの郷……?」
「……その様ですね…」
「そこで止まれ、そこの二人」
「……!」
二人が声の方向に振り返ると、一人の男が剣を手にやって来た。
「……この郷へ何の用だ?」
「……貴方は?」
「……名乗る必要は無い。質問に答えろ」
「……私達は、仲間を救う為に、光翔剣が必要なのです……お貸し頂けませんか?」
「………あれを郷の外に持ち出すことはならない…やはり、災いをもたらすか……仕方ない…」
男は剣を振り上げた。二人がそれをみて構えた瞬間、回りの木や茂みから現われた男達が、光る縄を投げて二人を拘束してしまった。
「ぐ、しまった……!?」
「……迂闊だったわね……」
拘束された二人に男が近付いて来た。
「……侵入者は排除することになっている……悪く思うなよ…」
男が二人に向けて剣を振り上げた、その時……
「天盤・壱式、雷王剣ッ!!」