仮面の男は剣を構えた。
「……厄介なものだな…魔神というやつは………」
仮面の男は一気に霊気を研ぎ澄ました。それを感じたのか、勇翔も腰に差した凍牙王を抜いた。
「…ヴォォッ!!!」
勇翔の咆哮と共に、凍牙王の刀身が炎に包まれた。
「…焔剣、か……陽炎の魔神の、力の象徴………全く、厄介なものだ………」
その瞬間から、仮面の男と陽炎の魔神となった勇翔との、壮絶な切り合いが始まった。
「……仙石さん!!」
アイザックは晶を抱えて仙石のところへ来た。
「お、来たね?」
「早く結界を……少し時間が経ってしまいましたが……」
「あぁ、構わないよ。ただ………」
仙石は晶を抱えながら、肩越しに京介と蓮を見た。
「……彼等の相手は私がします。急いで、結界を……」
「私もいるわよ?」
「!?」
アイザックと仙石は同時に声のした方向に振り向いた。
「……悠里、さん…」
「…これは驚いた……紫閃大隊の女神のご登場とはねぇ……アイザック、本当に大丈夫かい?」
「……問題ありません…」
「……そうかい…じゃあ、頼んだよッ……!!」
仙石は、晶を抱えて姿を消してしまった。京介達は追いかけようと構えたが、アイザックが立ち塞がった。
「く………ッ!」
「ここまでてこずらされるとは……悠里さん、貴方の息子は厄介過ぎる……」
アイザックは溜め息混じりにそう呟いた。
「あら、私の子なんだから、当然じゃないかしら?」
「……全く…ホントに、困ったお方だ……貴方も、斗耶さんも………」