「ガアァッ!!!」
「く……ッ!?」
アイザックは勇翔の放った重い一撃を霊力を圧縮した壁を構築して防いだが、防ぎ切れずに吹き飛ばされてしまった。
「……クソ…ッ、嘗めるなッ!!」
アイザックは右手に霊力を纏わせ、その右手で勇翔の胸元を貫いた。
「…どうだ……ッ、なに………!?」
しかし、貫かれた勇翔の姿は揺らめいて消えてしまった。まるで陽炎の様に………
「ど、どこに……!?」
アイザックが周囲を見回そうと頭を振った瞬間に、右手を構えた勇翔がアイザックの背後にいた。
「な……!?」
だが、勇翔の右手を仮面の男が掴んでいた。
「!?」
「ハッ!!」
仮面の男は抜いていた剣で勇翔の右手を切り落とした。
「ッ、ガアァァァァァァッ!!」
勇翔は痛みに耐え兼ねたのか、凄まじい絶叫を上げた。
「ッ、勇翔……!!」
「おっと……!!」
勇翔の絶叫を聞いて駆け出した京介の前に、仙石が立ち塞がった。
「あそこには行かせないと言ったろ?」
「………く…ッ!」
「……右手が無ければ、戦えまい…アイザック、富山晶を仙石に渡せ。急いで結界を……」
「ガ、アァッ!!」
「!?」
突然の雄叫びに振り返ると、勇翔の右腕が炎に包まれている。
「………まさか…」
「……バカな…!?」
「ガアァァァッ!!」
勇翔の右腕が炎を上げて、その炎の中から、切り落とされた筈の右手が元に戻っていた。
「……化け物だな………行け、アイザック!!」
仮面の男は自嘲気味に呟いて、アイザックを仙石のところへ行かせた。