「……あと、3時間程で到着か……」


「特に、問題も無さそうですね」



「甘いな、二人とも。ここは太平洋のど真ん中……襲うなら、俺だったら今だな」


「そうねぇ……こんな何も無いところ、狙撃には絶好の場所だものねぇ……」


四人が話していると、悠里の電話が鳴った。この電話は、飛行機のパイロットと直通の専用に用意されたものだ。


「はい?」


「今レーダーが、高速で飛来する三つの反応を捕らえた!急いで迎撃してくれ!!」



「皆、急いで迎撃を……ッ!」


悠里が三人に指示しようとしたその時、飛行機の左側のエンジンが急に爆発した。四人は飛行機から一旦離れた。



「な、なんだ!?」


「!?晶ちゃんッ!!」


「勇翔さんッ!?」




勇翔は晶を飛行機から連れ出す為に突っ込んだ。だが、それを狙ったかの様にどこからか、攻撃が飛んできた。勇翔は完全な不意打ちに対処しきれず、思わず目をつぶった。


「………ッ!?」


「大丈夫、勇翔……?」


「…母さん…ッ!?」


だが、攻撃は勇翔を貫くこと無く、代わりに悠里が受け止めていた。



「私なら大丈夫よ……それより、早く晶ちゃんを……ッ!?」


悠里が言い終える間も無く、次々と攻撃が飛んできた。

「……ッ、母さん、ごめんッ!!」


勇翔は防御を悠里にまかせて、飛行機に飛び付いて、ドアをこじあけて中に入った。



「晶ちゃんッ!」



「ッ!?ユウ君……ッ!?」


「晶ちゃん、早く出よう!!」


「うん……ッ!」


勇翔は晶を連れて飛行機から何とか脱出した。飛行機はエンジンから煙を噴きながら墜落していった。