「クソがぁッ!!」
男のその一言を最後に、残りの男達も斬り伏せられた。
「……ここまで情報が早いとは……敵も相当な手練れだとは聞いていたが、予想以上だな…………」
「あ、あの……」
「……………?」
自分に向けられているのか、その声に振り返ると、晶が少し警戒しながら漣升を見ていた。
「無事な様だな、富山晶。怪我はしているか?」
「あ、いえ………その……ありがとうございます…」
「仕事だからな。礼などいらん」
「………傭兵さん…なんですよね……?」
「あぁ……傭兵を見るのは初めてか?」
「はい……李さんは…プレイヤーなんですか?」
「あぁ。今は降霊しなかったが……俺は、『関羽』のプレイヤーだ」
「関羽………って、三国志のですか?」
「あぁ。知ってるのか?」
「少し……本を読んだことがあるくらいですけど………三国志の英雄も、聖霊になってるんですか?」
「あぁ。想像上でも実在でも、条件さえ満たしていれば聖霊になることが出来る」
「条件……?」
「聖霊になる条件は、ただ一つ………強い魂を持っていることだ」
「魂……ですか?」
「あぁ。神話や宗教の存在は、人々の信仰によって、魂を磨いていく。だから、神や天使は強い力を持って聖霊になることが出来る。歴史上の英雄達もそれは同じだ」
「……じゃあ、他にも三国志の英雄がいるんですか?」
「もちろんだ。俺は、その一人を追っている……虐殺の限りを尽くし、人々に恐怖を植え付けた存在………忌梗邑……呂布のプレイヤーだ…」
「呂布……三国志のですよね…?」