「………何者だ、貴様……」
「我が名は、李漣升……国際傭兵派遣機関『黄昏の翼』から、派遣された傭兵だ…富山晶、君を守る様にとの要請により派遣された。誰からとは、言えないがな」
「……え………私……?」
「傭兵風情が、嘗めた口を………お前ら、少し遊んでやんな…!」
男に煽られて、剣を手にした男三人が、切り掛かった。
「……愚かなことを……」
次の一瞬、男と晶が瞬きをした瞬間に、その三人は漣升によって倒されていた。真っ二つにこそされていないものの、全員一撃で切り付けられていた。
「………化け物がッ………近付かなければ一緒だ!撃て!!」
男に言われて、今度は銃を持った二人と男が、漣升に銃弾の嵐を見舞った。その嵐の中には、晶もいたが、構わずに男達は撃ち続けた。全ての弾丸を撃ち尽くして、男達は撃つのを止めた。
「……これなら、流石に生きては………」
銃弾が巻き上げた砂埃が晴れて、最初に現われたのは、光の壁に守られた晶だった。
「あ、あれ……?」
「……富山晶は無事だったか………連れて行け」
銃を持った二人の内の一人が、晶に近付いた。
「い、嫌………ッ!?」
「大人しくしろ……ッ!?」
晶の抵抗にあった男が、てこずっていると、まだ立ち込める砂埃の中から、偃月刀が飛んで来て、男の頭を貫いた。
「!?まさか………ッ!?」
砂埃が晴れて、姿を現したのは………
「………たかが傭兵風情に、ここまでするとは驚いたな……いささか火力不足だった様だがな……」
無傷の、漣升だった。
「……クソ……ッ……!?」
「容赦は、不要だな…………」